飯田圭織・アヴニール

アヴニール~未来~」。正直、大きな期待は持たずに聴いてみたが、大きく裏切られる結果となった。非常にいい出来。どこにも迷いのない、完成した歌手・飯田圭織がギュッと凝縮されている。前作、前々作も良作だったが今回はその次元を超えた気がする。


アルバム全体のカラーの統一が良い側に倒れていると思う。カラフルで派手な作品ばかりの中でこれを聴くとホッとする。統一された中でのバリエーション作りはよくできてるし、いつもながらすごいバランス感覚だと思う。


歌詞がきちんと伝わってくる。当たり前のことのようだけど、なかなかできることではない。歌に心がこもっている、などと書くと陳腐な感じもするが、まさにそういう感じ。ブツ切れでしか歌わせてもらえなかった娘。やタンポポでのフラストレーションがここで爆発しているのかもしれない。なっちよりもソロに対する想い入れは強かっただろう圭織らしさが痛いほど伝わる。


来春卒業後の活動がどうなるのかは分からないが、ソロコンサートをするとすればこのアルバムが中心となるのは間違いないだろう。その時には、是非ともアコースティックな構成での生演奏でのライブをお願いしたい。しかもある程度上質なホールで。オーチャードホールあたりでやってもらえると本望。ヲタもちょっとオシャレして聴きにいきたくなるような、ね。想像しただけでニヤニヤしちゃう(^^)。


あとは、どうやってハロプロヲタ以外のファンを掴むか。この課題がクリアできないと商業的には厳しい(ヲタがいくら絶賛しても意味なし)。歌唱力という面ではなっちの100倍くらい優位に立ってると思うけど、それだけじゃダメなのは分かりきっている。やはり、代表作となるべきビッグヒットを当てなければならないのだろうか。芸風的には工藤静香あたりをお手本にしてもいいのだろうけど、現状ではそれすら難しいかもしれない。


あれ、絶賛する気満々だったのに、なんか暗い話になっちゃった…。