みんなで伝説を作りましょうー

何かのはずみで行くことになってしまったUNDER17のライブ。はっきり言って、モモーイという人に関しては名前しか知らないし、曲もポポタンを1度聴いた程度の一般人。そんな人間が行っていいのかどうか分からないものの、恐いもの見たさ(?)が勝ってしまった、という感じ。


現場の空気は明らかにいつもと違う。ヲタという言葉がえらく汎用性を持った言葉である、と言えばいいだろうか(言葉の歴史的にはこの場にいる人たちの方が本家なのだろう)。入場列からしてアウェイ感満載。入場後のフロアを観ても空気が違う(はじまってしまうともっとアレだったのだが…)。今週二度目のO-Eastだが、同じ会場とは思えない…。とりあえず、後方PAブースの横あたりから恐る恐る観てみることにした。


お客さんの女性率が思ったよりも高かった。ヲタヲタしい人もいれば、一見普通そうな人もいる。でもメガネ装着率が異様に高くないか? (^^; ライトなモモーイコスなのか!?


はじまる。オープニングで「あ゛んだーぜぶんでぃーんら゛い゛ぶづあ゛ー、ぞじで伝説へーーーー」という叫び声ではじまった。誰がどう聴いてもボロボロの声。とても正常な人間の声ではない。やらかしたな、この女…。もちろんそこからはじまる歌がまともなわけもない。2曲やって最初の挨拶。かすれた声で息も切れ切れに笑顔でしゃべる姿に、一同笑いながらも見守る。「みんなで伝説を作りましょー!!」って、あなた、すでにこの時点で伝説ですよ。


そして特に予定されていたであろうセットリストを死にそうになりながらも完璧な笑顔でこなし続ける(最後は泣いてしまったけど…)。もはや歌えてないこと自体はどうでもいい、というコンセンサスが会場を支配している。ヲタも体力の限界を気にせずはしゃぎまくる(平均運動量はあきらかにメロンヲタを超えている)。とてもライブどころじゃないと思っていた開始時がウソのよう。本当に伝説になるな、これは。


アニキと呼ばれるギターの小池さん。Musicman EVHにLine 6 HD147。どちらも購入を考えたことがある自分としては妙に親近感が湧く。絶対的なギターのウマさが見られたわけではないが、この場ではそんなことは望まれていないだろう。近藤房之助さんがタッタタラリラ〜と歌っている姿くらいに思うべき。


中盤で、モモーイの弾き語りコーナーがあった。原点に帰る、を軸としたもので、曲(「フィギュアになりたい」?)自体もよかった。ただ興味深かったのが、彼女が中学時代からヲタ(搾取系w)だった、という話。たぶんお客さんのほとんどは当然の話として聞いていたのだろうが、背景を知らない人間からするとこれを聞いて、なるほど、と思わせられた。ヲタの気持ちが分かるからこそ、プロフェッショナルとしてではなく同士として、ボロボロでも頑張ろうと思うんだろうな。後半のMCでも、ライブをやる・やらないの決断で迷った、という話題が出ていた。もちろん、結果的にはやってよかった、ということだったが、今日この日を待ちわびたファンにとってはこういう形であれ本当にやって正解だったと思う。


今回がはじめてのライブツアーで、かつ解散ツアーという特殊なライブだったわけだが、解散の理由はおぼろげに分かった気もした。結果的にはアニキのモチベーションがすべてだと思う。別に二人の仲が悪いとはとても思えないけど、温度差は十分に見て取れる。「私にはスタートだったのあなたにはゴールでも」とは違うが、アニキの中では一つの完成感があるが、モモーイはまだまだこれから幅を広げたいと思ってるんじゃなかろうか(逆に思う人もいるかもしれないけど…)。きっとそんな単純な話ではないとは思うが、背景も人間関係もまったく知らない自分にはそう映った。


なんにしても、今日のライブは非常に面白かったし、行ってみて結果的にはよかったと思う。ある意味伝説(笑)。あと、モモーイはもっとクールなタイプの人かと思っていたけど、そんなことはなく、ベタで面白いなヲタだたということが分かったのは収穫。百聞は一見にしかず、だね。